私たちの使う素材には「顔」があります。

今回の生産者
vol.1
岐阜県セラミック研究所 長谷川善一さん
山を削らない器
2003年4月6日(日)、全ての建材、設備に日本古来の素材を使用し環境を配慮したニールズヤード エコビル1F奥にBROWN RICE CAFEがグランドオープンしました。カフェの内装もすべてエコ素材で仕上げられWHOLE FOOD LIFE STYLEを提案できる最高のスペースとなりました。そうとなればカフェで使用する食器にもこだわらなければならないと思案していたところ岐阜県多治見市にRE食器(再生食器)があると耳にしたのです。
再生食器といったら人が使い古した食器を再利用すること? と正直あまり気乗りがしなかったのですが、どうも気になる。更に調べてみるとこのRE食器が2001年にグッドデザイン賞特別エコロジーデザイン大賞を受賞しているというのです。これは想像を上回るものに違いないと確信し、早速URLを調べ、岐阜県セラミック研究所の長谷川善一さんに連絡をとりました。「ぜひとも我々の活動を見に来てください。」との嬉しいお言葉に早速、多治見まで行ってきました。
岐阜県東濃地方に位置する多治見は歴史的焼き物の産地ですが、駅を降り立っても観光客を意識した陶芸屋などはなく、とても静かな町。長谷川さんが駅まで迎えにきてくださり、研究所までの車中、RE食器(再生食器)についてのお話を伺いました。
長谷川さんによると地球の環境汚染が深刻化している2003年、美濃焼きに関わる企業や組合(40団体)と地元の3試験研究機関が中心となったプロジェクト「グリーンライフ21」が発足しました。家庭で不要になった陶磁器を原料に戻し再び作り直すといった循環型のリサイクルで環境に優しい再生食器の製造に取り組んでいます。RE食器が作られるまでの工程を説明すると
1.
全国15ヶ所に回収ボックスを設置し、一般家庭で不要となった食器、製陶業者などで製造の過程で破損した食器、規格外となった食器を回収し、原料製造工場へ運ばれます。(1日20トン回収)
2.
回収された陶磁器を粉砕機にかけ、1cm角に砕き、更に粉末状(7〜8ミクロン)になるまで粉砕します。
3.
粉砕後、数種類の陶磁器の原料と配合。粉砕された陶磁器は20%の割合で配合されます。
4.
ふるいにかけられた陶磁器の粉から不純物を取り除き、水と混ぜ合わせ粘土状にします。
5.
その粘土を使ってロクロや鋳込みにより再び陶器を成型し、焼きます。
このようにRE食器の作り方の工程は従来の食器とほぼ変わりません。しかし大きく違う点は、従来の製品は山を削って新たに採取した粘土を使用するのに対しRE食器は回収された陶磁器を20%配合するということです。この20%という配合率も「グリーンライフ21」が安全性、実用性、消費エネルギーなどのテストを行い試行錯誤を繰り返し決定したものなのです。
セラミック研究所内は多くの若手作家の方達が再生土を使ってセンスの光る作品作りに励んでいました。まだまだ限られたアイテムしか揃わないRE食器ですが彼らが手がけることによってよりセンスアップされ、多くの業界の関心を呼ぶのではないかとこれから先のビジョンが見えたような気がします。
「器から器へ。消費者型社会から循環型社会へ。」がRE食器のコンセプト。タカコ・ナカムラがプロデュースするWHOLE FOOD LIFE STYLEのコンセプトとぴったりと一致します。ブラウンライス カフェでサービスしていく環境と器と料理。器の内側、外側からも様々な活動を通してメッセージを伝えてくれる造り手の思いとそれを味わって頂くお客様の一体感を想像し、すばらしいカフェにしたいと思います。RE食器に美しく盛られた料理をどうぞお楽しみに。
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